リベラルアーツ

世界のトップ大学が重視する教養教育

アメリカの大学への進学を検討するとき、目に入ることの多い「リベラルアーツ」という専攻分野。アイビーリーグを初めとする高いレベルの総合大学が、リベラルアーツ教育を重視する姿勢を示しています。20年前の教育改革で教養科目のカリキュラムを減らす傾向のあった日本の大学でも、近年再びリベラルアーツが見なおされています。単なる一般教養と混同されることの多いこのリベラルアーツとは何でしょう、そしてアメリカ大学でリベラルアーツを学ぶ意義がどこにあるのでしょう。

 リベラルアーツと一般教養

リベラルアーツの歴史は、学問の歴史そのものです。古くは帝政ローマ時代に、人から支配されず自由でいるため、また総合的に思考するために、人文科学・自然科学の諸分野の知識を得ておくことが求められたことから、大学教育の必須要件となってきました。
大学の多くは、専門科目の履修と合わせて、数学・語学・経済学の基礎など、幅広い科目を選択して学ぶことを求めています。これがいわゆる一般教養科目で、学部課程を卒業して学士号を取得するための条件とされている物です。専門の知識と合わせて、広く物事を知っておくことが、高等教育の成果として欠かせない、というわけです。
しかし、いま注目すべきリベラルアーツはこのような一般教養とは数段違います。それは例えば4年間学部課程すべてを通じて人間の基幹となる諸分野を総合的に身につけ、より高度な職業分野の学びに対応できる人間になる課程です。広くとも深い思考と理解を必要とするもので、単なる知識でなく自ら開発していく能力を育くむ重要な段階と考えられています。

 リベラルアーツが重視されるわけ

実学を重んじるアメリカの大学で、なぜリベラルアーツが大きな存在とされているのでしょうか。
アメリカの高等教育では、医学・法学などの高度な専門分野は、プロフェッショナルスクールと呼ばれる大学院が学びの場となっており、学部課程で専攻とすることはできません。近年では薬学やさまざまな医療専門分野、建築学を初めとする多くの工学分野、また学校教育を担う教師育成のための教育学などが、大学院での専門分野に集中する傾向が現れています。これは、従来よりいっそう高度な職業的訓練が必要になってきたことの現れであり、同時にその分野を学ぶための素地として、「広く深い思考と理解」が欠かせないことを社会が強く認識していることの証なのです。
この傾向は、社会問題が複雑化したり、先進のテクノロジーが多くの分野の技術によって支えられるようになったりしてきた現代社会でますます強くなってきています。一つの問題に取り組むにも多くの分野を総合的に扱う能力が求められる中、環境学に代表されるような「学際研究」と呼ばれる新しい専門分野が発達してきました。リベラルアーツは、まさにこうした学際研究の究極の形でもある訳です。
プロフェッショナルスクールへの進学を前提とした、あるいは先進の研究に取り組む人材育成を目的とした、アイビーリーグなどの高水準大学が、自らを「リベラルアーツカレッジ」と呼ぶほどにリベラルアーツに注力した教育を行うのはそういう訳です。

 日本でも再評価されるリベラルアーツ

日本では、これまで医学や法学のような専門分野でも、年限の違いこそあれ学部で専攻する制度でした。20年ほど前には、大学教育の自由化で専門分野の時間数を増やす一方で教養教育を縮小してしまった大学も少なくありません。
しかし近年、法科大学院や教職大学院の設置が始まったことに見られる通り、アメリカ型の専門職大学院制度を取り入れる動きも浮上し、学部課程で学ぶべき物の再評価が始まりました。同時に、教育の国際化が重視される中で、伝統的にリベラルアーツ教育にこだわってきた国際基督教大学や、高い就職率で注目を集める国際教養大学、立命館アジア太平洋大学などが評価を高めているのは、まさに国際的な活躍に対応できる人材として不可欠な思考と理解の力を育てているからに他なりません。
もちろん、日本の大学ではまだ大学院進学を前提としている学生は多くはありません。しかし、国際的な活動をするプロフェッショナルとして必要な問題突破力を身につけるため、総合的なリベラルアーツの重要性は高まりこそすれ、軽視されることはもはやないでしょう。

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