メジャーリーグやNBAなど、さまざまなスポーツの頂点に立つアメリカ。
その土台を支えるのは大学で、アスレティックトレーナー育成やスポーツマネジメント、スポーツビジネス、スポーツジャーナリズムなど、細分化されたスポーツ関連専攻が設置されている。
もちろんアスリートとして活躍する学生も出ている。スポーツ大国としての厚みは日本の比ではない。
競技者、指導者、あるいは選手を支える専門家、いずれの立場でもアメリカは世界のスポーツ界の最高峰。その基盤を支えるのが、アメリカ大学の大学教育だ。「スポーツ」の名を冠する専攻から数多くの関連専攻まで、「学問」としてまた「職業を意識した学位」として整備されている。
アメリカのスポーツ学では、各種目に合わせて動作の最適化を図り、選手を鍛え上げていくトレーニング理論、試合で実力を発揮させ、競技人生を長く保つためのコンディショニング理論など、各大学が切磋琢磨し、常に最高の答えを出そうと競い合っている。この研究環境の充実度は、日本とは比べものにならない。
アメリカではアマチュアスポーツの頂点は大学。各種目で多くの有名選手を輩出している。将来のドリームチームに名を連ねるような一流選手とともに学び、世界レベルの理論をものにしよう。
アメリカの大学は、スポーツ関連のトピックをほぼすべて網羅していると言っても過言ではない。すべての基礎となるスポーツサイエンスをはじめ、選手のコンディション管理を行うアスレティックトレーナー養成のためのコース、最適な指導法を考え、実践を通して学んでいけるコーチング理論、ビジネスや経営論の面からスポーツを考えていくスポーツマネジメント学、さらにはジャーナリズムという観点からスポーツを俯瞰するスポーツジャーナリズムなど、どれもプロフェッショナル養成のための高度な講座群が揃っている。
実技の面でも、野球、バスケットボール、アメリカンフットボールなど、テレビでおなじみのスポーツから、乗馬やビリヤード、スキューバダイビングなど、日本では大学の講義として学ぶことなど考えられない種目まで、およそありとあらゆる種目を、プロインストラクターから学ぶことができる。柔道や空手などアジア由来の種目もアメリカ人に人気で、初心者から有段者レベルまで複数のレベルのクラスが設置されている大学まである。
何より、理論と実践が高いレベルで昇華されているのがアメリカの大学だ。スポーツを科学として学びつつ。実技にも全力で挑戦していこう。
アメリカでスポーツが強い大学は、学力でも高い水準を誇る。例えば全米ビッグ12と呼ばれるスポーツのトップ大学群があるが、NCNの受入大学では、ネブラスカ大学、カンザス州立大学、オクラホマ州立大学といった各州トップクラスの州立大学が、このビッグ12のメンバーだ。つまり、スポーツのプロと言われる一流選手、スポーツ医学のトレーナー、マネジメントスタッフなどは、スポーツの実力とともに高い学力が求められているのだ。
大学のスポーツチームで活躍する選手も、まず大学生としての学業成績を求められる点で、アメリカの大学は厳しい。成績が維持できないと警告が発せられ、チームからの脱退を求められることがあるばかりか、他の学生同様、基準成績に達しないと退学を勧告される。逆に、スポーツで実績を残す学生は、あらゆる面で秀でた人材として社会の評価を受け、就職においても引く手あまたの状態になっている。
スポーツ学が大学の専攻として充実しているアメリカ。その背景には、一大産業としてのスポーツ業界がある。プロスポーツの人気と商品価値は日本とは比較にならないほど高く、周辺にさまざまな産業が発達した。例えば、24時間スポーツだけを放送する専門テレビ局。ダイエットや健康を意識する人たちによって大きく発展したスポーツジムやスポーツクラブ。さらに、若年層だけでなく、ビジネスのトップに立つ人たちにも愛用されるスポーツ飲料やスポーツブランドのファッション。こうした業界が発達すれば、そこに進む人材を育てるための教育が充実するのがアメリカだ。
日本の大学では、スポーツ科学に特化した数少ない学科はあるが、その他の分野は必ずしも専門化していない。経営学を総合的に学んでスポーツ業界に就職するとか、法学部や文学部からマスコミに就職した後でスポーツセクションに回るといった進路が一般的だ。それに対してアメリカにはスポーツに特化した専攻が数多くあり、それを横断的に学ぶこともできる。もし将来スポーツという大きなジャンルの中で働きたいと考えるなら、ビジネス・サイエンス・生理学などスポーツに関わる分野の勉強を、学部の壁を超えて学ぶことができるアメリカの大学は、その可能性を大きく広げてくれるだろう。もちろん揺るぎない英語力を培って、国際的な仕事にも即戦力として対応できる。
スポーツの世界でプロとして働くことは容易ではない。高校時代に部活動で得た体験や感動を学びの動機にすることは大切だが、プロへの道を現実にするには、そのための努力を覚悟し、ひたむきに実行することだ。
もちろんNCN米国大学機構でも、スポーツ系専攻学生のために、メジャーリーグのトレーナーなどプロと接する機会を数多く設け、チャンスメイクを行っている。(写真:プロトレーナーによるセミナーの様子)
それぞれの分野で高い水準の大学に進み、しっかりした成績を維持できた学生は、納得のいく進路を実現している。NATAの公認トレーナーに合格してプロチームに採用されたり、社会人チームでコーチを務めたりという道に進んだ者も。また世界陸上などの国際スポーツイベントで公式取材を担当するジャーナリストや、スポーツ新聞社で、メジャーリーグ担当記者として活躍する卒業生も出ている。
続いては、スポーツ関連の様々な専攻を紹介
アスリートの力を引き出し、さらに進化させるための科学
選手がひたむきに練習するだけで勝てるわけではないのが現代のスポーツ界だ。運動生理学、生化学、スポーツ医学、心理学、物理学、化学など、先端科学のすべてを投入して、「勝つ」ことを追究するのがスポーツサイエンス学だ。栄養の摂取と消費をコントロールして肉体を最適化し、運動能力を高め、精神的にも実力を発揮しやすい状態を作って選手のパフォーマンスを高める生理学的研究はもはや医学に近い。また、水泳やスキーのジャンプ競技などでは物理学や流体力学などの研究・実験とコンピュータによるシミュレーションで最適なフォームを計算するといったことも、一流選手の世界では当り前だ。
スポーツの世界水準が人間の体力の限界に近づく一方で、スポーツウェアや器具の開発改良も求められている。一昔前の記録映像を見るとわかるが、陸上や水泳、スケートなどのスピード競技のウェアは、空気や水の抵抗を排して急速に進化を遂げてきた。通気性・機能性等を追究したシューズやトレーニングウェア、運動中に補給するスポーツドリンクの成分から摂取のしかたまで、スポーツサイエンス学の研究は広範で、細分化されている。
選手の生命線を守る重要な仕事
アメリカでは、高度な専門技術を修得したアスレティックトレーナーが、スポーツサイエンスのエキスパートとして、スポーツ界を陰で支えてきた。選手のコンディショニング指導を通じてけがを予防したり、専門医の管理のもとでアイシング、温熱、超音波などを利用してにあたったり、あるいはけがをした選手の復帰にむけてのリハビリテーション管理をしたりと、果たす役割は幅広い。
アメリカには、プロ水準のトレーナー資格として、全米アスレティックトレーナーズ協会(National Athletic Trainers' Association = NATA)が認定する資格がある。NATA受験資格を得るには、アスレティックトレーニング教育認定委員会(CAATE)が認定した養成コースで学び、臨床実習を含めた課程を修了する必要がある。この養成コースは、全米でも限られた大学にしか設置されていないが、日本人学生受入制度の受入大学の中には、1700〜1800時間の臨床経験を積む認定コースを持つ大学もある。
日本のスポーツチームや一流選手も専属のトレーナーを抱えるようになってきたが、そのほとんどは日本のはるか先を行くアメリカで技能を学びNATAの資格を得たトレーナーたちだ。その需要はこれからも増える一方。高い成績で大学院レベルまで学ぶことで、プロスポーツチームへの就職の道も開けてくるだろう。
日本の理学療法士資格にも対応
理学療法学は、様々な方法を用いて手足や全身の身体機能の維持回復を行う点では、アスレティックトレーニング学と共通する。アスレティックトレーニング学に比べると、より医療に近い立場で、温熱、電気、光線などの物理的な刺激や治療体操、マッサージによって、患者の治療や機能回復を行うのが理学療法だ。アメリカでは、理学療法をサイエンスの一領域と位置付けているのが特徴で、リハビリテーション理論など科学的な根拠をもとに、その効果を裏付けていく。かつては4年生の学部で資格取得をするカリキュラムもあったが、現在は他の医療系資格と同様に、大学院修了を前提とするコースになった。病院での臨床インターンなどを経験しつつ、医学と連動した最新の知識と技術を学ぶことで、国際的にも通用する資格を身につけることができる。また、アメリカでの学位は、日本の資格を得るための受験資格としても認められる。
医学的療法には、この他カイロプラクティックや作業療法などがあるが、いずれの領域においても、高度な知識と技術が身につくプログラムが整備されている。
スポーツを一生のしごとに
競技としてのスポーツで勝利を収めるためには、最新のトレーニング施設の利用、試合への参加、有望選手の獲得など、大きな投資が必要だ。また、選手を管理し、競技への意欲を引き出し、試合において最高の結果を出すための組織運営も大切なマネジメント業務だ。
スポーツマネジメント学は、スポーツチームの運営や経営、管理について学べる、プロスポーツが盛んなアメリカならではの専攻だ。ここでは、人、物、資金、時間といった、いわゆる経営資源を活用し、組織運営を健全に行いつつ、競技においても結果を出す方法論を学ぶ。具体的には、スポーツ理論の修得と並行して、チームや団体の運営、スポーツ経済学、スポーツマーケティングとプロモーション(広告宣伝)など、ビジネス学系講座とスポーツ系講座をバランスよく学べることが特徴だ。
スポーツと経営の問題はたびたびマスコミをにぎわし、スポーツマネジメントの専門家へのニーズは今後高まっていくことが予想される。特徴ある専攻を学び、経営者としての第一歩を踏み出すのも、夢のある挑戦ではないだろうか。
スポーツの「興奮」を世界に広げる
アスリートたちの躍動する筋肉。ほとばしる汗。筋書きのないドラマが展開されるスポーツ界の熱いドラマや醍醐味を、我々に記事で伝えてくれるのがスポーツジャーナリストだ。さまざまなスポーツ誌や新聞のスポーツ面の記事を担当する彼らは、ジャーナリズム全般でも花形のポジションだ。
スポーツジャーナリストには、スポーツへの深い知識はもちろん、人間観察の能力、組織論、技術論、文化論など様々な知識と、それを読者にわかりやすく伝える能力が必要になる。幅広く、専門性の高い教養を身につけるために、自分の興味に合わせて自由に学べる制度を持ったアメリカの大学は、最適の選択といえる。
スポーツジャーナリストを目指すモデルプランとしては、コミュニケーション学の中のジャーナリズム学を主専攻、スポーツ学を副専攻とする方法などが考えられる。
米国大学では、将来目指す職業に応じて専攻を自由に組み合わせて学ぶことで、より大きな可能性を作ることができる。もちろん、英語などの語学力をしっかりとつけることも、国際的な競技スポーツの取材において、大きなアドバンテージになるだろう。
■次は、スポーツを学ぶためのお勧め大学を紹介
水準の高いNATAの受験資格認定コース
”ボブキャッツ”の名で知られるテキサス州立大学のスポーツチームは、周辺の各州と組む地域リーグの中でも際立った強さを誇り、全米1部リーグでも名を知られた名門だ。
テキサス州立大は、スポーツの強豪校であると同時に、学業面でも州屈指の高水準大学。114もの専攻を揃え、2万人を超える学生が学ぶ。スポーツ活動に参加する選手の平均成績は4段階の総合評定で3.0以上。スポーツと学業の両立を誇りとする、
テキサス州に数多くある大学の中でも、NATAの受験資格を得られるコースをもつのは14校のみ。テキサス州立大はそのひとつで、アスレティック専攻をはじめ、コーチング学、スポーツサイエンス学など、スポーツ系の講座と実技科目の合計は200に達する膨大なプログラムになっている。
特にアスレティックトレーニング学は、スポーツ医学系専門講座と3年間で1800時間に及ぶトレーナー実習のプログラムが圧巻だ。最難関といわれるNATA認定資格での合格率も高く、日本人を含めた出身者への評価も高まっている。
アスレティックトレーナー専攻が確定したNCN学生に奨学金が支給され、同時に州の特待生に認定されるという制度も、この大学の魅力だ。
豊富なスポーツ関連専攻と取り組みやすさで人気
スポーツの仕事をめざす学生にとって、ネブラスカ大学カーニー校のアスレティックトレーニング学部は多くの点で魅力的だ。まず専攻の種類。アスレティックトレーニング学、エクササイスサイエンス学、スポーツ管理学の専攻を揃え、さらに体育教育学や、レクリエーション管理学、ヘルスサイエンス学などの周辺専攻も充実している。それぞれのプログラムの充実度も魅力だ。例えばNATA公認のアスレティックトレーニングのプログラムは、2年時から年間200時間の実習を含んでいる。この実習の多くは大学がもつ全天候施設を使って行われるほか、学外でのインターンシップの機会も提供される。
こうした充実した教育を非常に経済的な費用で受けられるのも大きな魅力だ。NCN学生のための特待生費用が適用されるので、年間授業料が60万円前後で済む。実習が多いアスレティックトレーニング学などでは、その費用の差も積み重なっていくので、重要な大学選択の要素になるだろう。
また留学生にとっては、カリキュラム面でもメリットがある。初期に履修する一般教養科目や基礎科目が取り組みやすいため、アスレティックトレーニングのように高い履修基準をもつ専攻へもスムーズに展開できるのが有り難い。
カーニー校のスポーツチームは全米2部リーグに属し、シカに似た野生動物Antelopeをマスコットとして、”ローパーズ”の名前で活躍しており、バスケットボールチームでは、現在日本のプロリーグに在籍する日本人選手がかつて活躍したこともある。
説明会名 | 日 時 | 会 場 | |
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NCN米国大学機構の日本人受入制度は、今年で34年目を迎えるアメリカの大学自身が運営に参加する米国大学進学・留学のためのプログラムです。
これまで7,400名以上がアメリカの大学に進学・留学し、その大多数を占める正規学部生として入学した学生は、95%が卒業し、社会の第一線で活躍しています。