「英語を使って仕事をしたい」という希望は、女子学生を中心に今も昔も非常に高い。
客室乗務員やグランドスタッフ、ホテル従業員、通訳、アナウンサーなど、国際性が高く華やかな仕事をしたいと考えているなら、圧倒的な語学力を武器にしたい。
どんな専攻であっても、アメリカの大学で4年間学んで得る強みは、圧倒的な英語力だ。確かに日本にも、語学を専門に学ぶ大学や学部はある。しかし、英語圏の大学を卒業した留学生の語学力は、日本の大卒生とは比較にならない。ネイティブと毎日の生活をともにすることで、言葉の知識もネイティブの感性も自分の身体で体得し、卒業時にはバイリンガルとして評価される水準に達している。
それは、学生の積極的な参加を求めるアメリカ型の授業の生む効果でもある。英語の教材を読み,英語の講義を聞くだけではなく、吸収した知識に対して自分の考えをまとめ、発表・議論する場が授業だからだ。英語で物事を分析し、自分の言葉に整理して、表現するプロセスの繰り返しが、国際的な会議や交渉を苦もなくやり遂げる語学力、ひいては自信と実行力を培っているのだ。
英語をより専門的に学び、通訳・翻訳や英語教育など、語学のエキスパートとしての活躍を目指すなら、英語学や英語教授法などの専攻もある。教室での学習と実地研修とを組み合わせたプログラムで、言語学的に英語をひも解き、英文法はもちろん、実社会で生きるライティングやスピーキング能力を培う。
語学からさらに一歩進んで、様々な局面での意思疎通の力を育てるためのコミュニケーション学も魅力的だ。語学を目的ではなく仕事の手段として活用し、ビジネス、国際関係、教育などの分野で活躍するためにも大きな武器になる。
NCNの学生たちは、アメリカ大学での学びを通じ、ネイティブ並の語学力を身につけて卒業し、高い評価を受けて一流企業への就職を果たしてきた。だが、そのほとんどが、はじめは日本の大学への進学を目指して、ごく普通の受験勉強をしてきた高校生だったのだ。英語圏の大学で学ぶことが、実践的な英語の習得にいかに決定的な効果をもつかの証といえる。
もちろん、むやみにアメリカ生活に飛び込んで時間を過ごせばいいわけではない。日本国内および現地での質の高い語学研修プログラムと、それに取り組む学生の熱意も、この結果を支えている。
英語学・コミュニケーション学を学ぶことは、単に言葉の成り立ちや機能を知識として学ぶだけではない。言葉の特性を知り、言葉を使う際、受け止める際の心の動きを感じることで、適切な意思の疎通に必要な技術を身につけるのが核心だ。英語はもちろん、日本語でのコミュニケーションや作文にも効果が現れるので、ビジネスや政治学を学ぶ学生の副専攻や自由選択履修にも勧めたい。
さらに英語教授法では、意思疎通の方法を異文化の人に伝える技術を学んでいく。まさに自分が体験した習得のプロセスを振り返り、客観的に分析する学習でもある。語学で苦労して目標に到達した人ほど、教えるための技術は上達するという。今英語が苦手な人にも、めざして欲しい専攻だ。
通訳や翻訳者、英語の教育者など、語学のプロをめざすなら、英語学を核に学ぶことは大切だ。だが同時に、自分の強味になる分野をあわせて学ぶことを勧める。いまや翻訳を求められるのは専門性の高い分野に集中している。単に英語ができるだけでなく、「政治に強い通訳」「科学技術に強い翻訳者」「児童心理を熟知した英語教師」という専門性をもってこそ、自分の仕事の領域を築いていけるからだ。
接客や広報の道につながるコミュニケーション学を学ぶ際にも、職業意識をもって知識の幅を広げよう。地理学・政治学・スポーツ学など、コミュニケーションを通して人に伝えたい知識を、伝える言語を使って自分の内面に蓄えておくことが、将来にわたって仕事に活きてくる。
■続いては、英語・語学・コミュニケーション学関連の専攻分野を紹介
英語学は、アメリカ人の「国語・国文学」の勉強である。基本となる標準の文法はもちろんのこと、ネイティブの日常生活から文芸作品の磨き抜いた英語に至るまで、幅広い文法・語法を学んで状況や目的に応じた表現を学ぶコースだ。
言語を学ぶことは、その国、民族の文化体系を学ぶことでもある。アメリカのみならず、イギリス、オーストラリアといった英語文化圏の歴史や社会を知り、言語と社会とが相互に関係しながらたどってきた変遷のすべてを、英語学では扱っている。さらに、アメリカの中でも地域によって異なる英語表現や、インドやフィリピンなど第二の英語圏の多様な英語といった、ネイティブなら直感できる「深い」英語感覚を究めるには絶好の専攻である。
将来英語を教える職業をめざすなら、専門的に英語教授法(Teaching English to Speakers of Other Languages)を学ぶことをお勧めする。非英語圏の移民を受け入れてきた歴史をもち、現在でも英語を話せない国民を多く抱えるアメリカでは、英語教育は社会全体の課題として取り組まれてきた。その歴史の成果でもある英語教授法は、英語ネイティブ以外の人に対して英語を教える際の実践的・機能的なテクニックや考え方を習得していく学問だ。留学生にとっては自分の経験が大きく反映する分野であり、自分の英語をさらに究めて行く材料にもなる。
TESOL専攻は、通常大学院の修士課程でMA-TESOL学位を得ることがひとつの到達点になる。MA-TESOLは、日本国内でも熱望される英語指導のスペシャリストの証といえる。
文法・語法を含め、正確で品位の高い英語を話すことは、英語社会の中で敬意をもって迎えられるための第一の条件である。もちろんビジネスや研究の場においても、その能力の有無が人生のチャンスを広げも狭めもする。だが、とりわけ接客に関わる進路をめざすなら、操る言葉の美しさは印象を決める最大の要素の一つと言える。同時に表情や身のこなしを使って好感を与えられることも必須だ。
コミュニケーション学は、言葉はもちろん、あらゆる表現手段を使った人と人との間の情報のやりとりと心の交流を研究する。英語圏はもちろん、さまざまな文化圏における表現を対象とするコースもある。また、スピーチコミュニケーションに特化したコースは、アメリカ社会でリーダーとしての成功の決め手とされる演説やディベートなどの説得力を磨くには絶好だ。
英語と日本語のバイリンガルは留学生にとっては当り前。しかし、スペイン語、中国語など第2外国語もあやつれる、いわゆるトライリンガルとなると貴重な存在だ。留学中にこの第2外国語に挑戦し、世界を股にかける仕事に取り組む機会をさらに広げる学生たちもいる。
「英語だけでも大変なのに」と尻込みする声が聞こえてきそうだが、実際に第2外国語を学んだ学生の多くは、「外国語は、2つ学ぶのも3つ学ぶのも同じこと」と言う。留学生活の中で英語が自然なものになってくると同時に、他の国からの留学生との交流も深まると、外国語へのハードルは意外に低くなるものだ。中国語など、日本人の方がアメリカ人より成績をあげやすい場合もある。ぜひ挑戦してみよう。
語学を学ぶことは文化を学ぶこと。それならば、その言語を話す民族、彼らを取り巻く環境、彼らと自分たちの社会的な関係などを詳しく知ることで、語学を核にした総合的な知識にアップグレードしてはどうだろう。地理学や国際研究学、中でも国や地域ごとの歴史や文化を扱う地域研究学は、そんな知識を充実させてくれる。
幅広い英語圏の中でも、特定の地域のスペシャリストになれば、ビジネスにおいても「この地域のことはこの人に」という自分の活動の核が作れる。さらに日本社会で求められているのは、完全な英語力を持ちつつ、英語圏以外との橋渡しのできる日本人だ。そのためには、第2外国語とその地域の研究とを組み合わせれば最強。フランス、イタリア、スペイン、中国など需要の多い地域はもちろん、東欧や南米などの新興地域も、人材が貴重なだけにチャンスが開ける。
NCN米国大学機構の日本人受入制度は、今年で33年目を迎えるアメリカの大学自身が運営に参加する米国大学進学・留学のためのプログラムです。
これまで名以上がアメリカの大学に進学・留学し、その大多数を占める正規学部生として入学した学生は、95%が卒業し、社会の第一線で活躍しています。