アメリカ留学で英語力を上げ、将来仕事で活かしてみたい。こういった希望を持つ学生の皆さんはとても多く、筆者の体感的には留学希望者全体の2~3割くらいの比率を占めていると思います。では、こういった希望を持っている場合、どんな進路選択をすれば良いのでしょうか。考察していきましょう。

どこまで英語そのものを専門にするか

「英語を使った仕事」と言ってもその幅は広く、極論すれば今のグローバルな世の中では、何の仕事であっても英語を使う可能性はありますから、どこまで英語を専門的に究めたいかによって選択が変わってくると言えるでしょう。

英語の専門家としての仕事

英語のスペシャリストとしてすぐ浮かぶのは、英語教員、通訳、翻訳といった、英語を直接的に扱う仕事でしょう。さらに、英語そのものを研究する言語学といった学術的なアプローチもあります。

英語教授法(TESOL)

英語教員をめざすために一般的に履修される専攻としては、英語教授法(TESOL=Teaching English to Speakers of Other Languages)が挙げられます。これは、異なる国や文化出身の人たちに英語を教える方法や考え方を学ぶ分野です。教え方、評価、言語習得に関する理論、多文化に関する理解などを学びます。

アメリカの大学の語学研修所の先生方もTESOL関連の資格を持つ先生が多い

まず言語学または教育学で学士号を取得し、大学院でTESOLの修士号や専門的な証明書を提供するプログラムを修了するのが一般的です。修了後、TESOL国際協会(TESOL International Association)が提供するCertification for English Language Teaching to Adults (CELTA)やTeaching Knowledge Test (TKT)などの資格試験を受験します。

もしも日本の中学や高校で英語を教えたい場合は、アメリカの大学卒業後に別途、日本の大学や大学院で教員免許を取得する必要があります。ただし、大学の講師や民間の指導者、また小学校における英語活動アドバイザーや児童英語教師には教員免許は必要とされていません。特に小学校で英語が義務化された一方、指導者は不足している現実があります。これからも英語の指導者の需要は増えていくことでしょう。

翻訳・通訳

アメリカの大学で英語を極めることはできますが、日本語に翻訳、通訳することはアメリカの大学では学べないため、TESOL同様、言語学や英語学(English)を学び学士号、あるいは修士号を取得したあと、日本で翻訳・通訳養成の学校に進学する必要があります。

ただ、例えば映画の字幕や日本語版への翻訳を手掛けたい場合は映画学をアメリカの大学の専攻にするなど、別の専門分野が関係してくる場合は、その分野を学んでみるほうが、通訳・翻訳に限らず関連の職業全般が狙えると考えられます。

さらにAIの発展により単純な翻訳、通訳者の活躍場面はこれから狭まると考えられるため、今後は人間でしかできない気の利いた表現や、発言者の意図を損なわないある種の意訳技術など、AIではできないレベルのより高いスキルが求められると考えられます。目指すのであれば、一握りのトップクラスの通訳、翻訳者をめざして腰を据えて学びましょう。

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旅行・ホテル・航空会社など接客関係の仕事

専門家として英語を使うのではなく、ビジネスの場面で英語を積極的に使う機会を求めるならば、やはり外国人旅行者やその接客関係の仕事がわかりやすい例で、航空会社のキャビンアテンダント、グランドクルー、ホテルの従業員、旅行代理店などが代表的な職業となります。

ホスピタリティマネジメント学

アメリカの大学では、接客管理学(ホスピタリティマネジメント)専攻がお勧めです。

ホスピタリティマネジメント学は、おもに観光業、ホテル業、レストラン業などのホスピタリティ産業での経営やサービス提供に焦点を当てた学問分野です。学生は直接の接客技術はもとより、経営、マーケティング、人事、サービス管理など、ホスピタリティ業界で必要なスキルを学びます。

大学はしばしばホスピタリティ業界と提携し、業界の専門家や企業との連携を通じてインターンシップや学生に実践的な知識やキャリアの機会を提供します。時には大学自体が企業との連携でホテルを運営し、学生の実習機会を設けている例もあります。

また、一般的なビジネスの知識やリーダーシップや効果的なコミュニケーションスキルの重要性を教育します。特にアメリカの大学で学ぶ意義(=専門学校と異なる点)は、いち従業員としての技術を超えて、将来の管理職やリーダーシップポジションに向けての準備が行える点で、採用の際にも幹部候補生としての採用となることや、高い英語力を活かして外資系企業にも積極的にチャレンジできます


受入大学(Arkansas State University)の運営するホテル。大学敷地内に立地し、ヒルトンホテルとの連携で運用。200室以上の客室と会議センターも完備している

実際、NCN卒業生は、日本に進出している外資系ホテルや航空会社などに数多く就職し、活躍しています。

コミュニケーション学

コミュニケーション学そのものは、言語、非言語のコミュニケーションそのものを研究する学問ですが、その中でもスピーチコミュニケーション学は実践的な英語力を高められる専攻として人気です。

英語で言う"Communication"はどちらかと言うと「伝える能力」というニュアンスが強く、言語使用、非言語要素、聴衆分析、プレゼンテーションスキル、コミュニケーションコンテキストに注力し、ビジネスや教育などで役立つ実践的なスキルを身につけることができます。

ビジネスや専門領域で英語力を活かす

接客に限らず一般的なビジネスの現場においても、アメリカの大学で学んだ実践的な英語力や専門性は大きな武器になります。また、これら以外の各種専門分野を学ぶ中でも、その分野における専門的なコミュニケーションや実践的な仕事の進め方など、本質的な意味での「英語で仕事をこなせる」能力が身に付くことでしょう。

「英語+◯◯」の発想を持とう

アメリカに長期間留学をする時点で、英語力はかなり高くなるのはある意味当然です。ですから、発想としてはさらに欲張りでいいのではないかと思います。

例えば、"英語+IT"、"英語+工学"など、選べるならば理系分野もとても有効です。英語はあなたの将来の仕事のステージを世界に広げる役割を持ちます。ですから、広がったステージの上で何をするのか、したいのかを将来へのテーマとして考えてみましょう。

何がしたいかわからない場合は?

とりあえず英語は好きだけれど、将来何をしたら良いかわからないという人もいることでしょう。アメリカでは、専攻を途中で変更できますし、大学の途中移籍(転学)もできます。学んで知識を得ながら自分の進路を考えていくことができるのもアメリカの大学の強みです。特に高校生の場合は、まだまだ仕事については知識が少ないため、いざ選べと言われても知識不足で選べないのは当たり前といえば当たり前で、何も悩む必要はありません。

私たちもいろいろな提案ができますので、まずは進学説明会でご相談ください。

(文責:入学審査室長 堀 宏輔)


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