法律学・法科大学院 専攻解説:アメリカ大学進学・正規留学・MBA取得のNCN米国大学機構

アメリカの大学・大学院への進学・留学プログラム

法律・米国弁護士

アメリカの弁護士の活躍は、刑事事件の報道やテレビドラマで目にすることも多いが、
日本人が米国の弁護士として活躍できる場は、契約関係の調整など、ビジネス関連業務が主体となる。
アメリカの大学で法律を学ぶ意義を、検証してみよう。

「訴訟社会」アメリカで活躍できる日本人弁護士とは?

NCN 法科大学院The George Washington University Law Schoolアメリカは契約社会あるいは訴訟社会として成長してきた。様々な常識や価値観をもつ人々がひしめく合衆国では「相手も同じように考えているだろう」では済まない。間違いがないように念入りな契約書で確認し、行き違いがあれば権威ある第三者の公平な判断を仰ぐための司法が伝統的に活躍してきたのだ。
弁護士はその伝統の中で、大きな事件の裁判に携わるだけでなく、日常の些細な契約の確認、身近ないさかいの仲介までも行う。アメリカ人は、何か問題が発生すると「弁護士に相談する」と言うが、「互いに話し合えばわかる」と思いがちな日本人は、こうした解決方法に不慣れだ。だからこそ、日本人の立場を知り、アメリカの法律を知った弁護士は、切実に求められているのだ。
法律にも、犯罪を扱う刑事法、人間関係を扱う民事法、とりわけビジネスに関わる商取引法、政府や地方行政をコントロールする行政法など様々な分野がある。学生はそれぞれの卒業後の専門分野を意識して学習を特化していくが、日本人弁護士が最も活躍の場を与えられるのは商取引や民事の分野だ。

法律を学ぶ、というと、膨大な量の難しい条文を記憶することと思いがちだが、実際には、契約や法令をどう読み解くかの技能や、それぞれの事例にどうあてはめるかの判断力を養う勉強だ。特に判例法主義のアメリカでは、過去に裁判を通じて示された判決を歴史的に分析し、現代の事件ではどう取り扱うべきかを追究する。授業では、めいめいの学生が、綿密なリサーチをもとに自分の判断を提示し、お互いに問題点を指摘しあう、法廷さながらの論争が交わされる。


日本の司法試験との互換性はないが、外国法事務弁護士として通用する

法律は、国ごとの制度・事情の違いが最も大きい分野だ。ある国で得た弁護士資格が他の国の弁護士資格としてそのまま通用することはない。アメリカで弁護士資格を得れば、州単位で登録し、あらゆる弁護士業務に従事できるが、日本でも同様に裁判に携われるわけではない。
多くの米国弁護士が、日本で事務弁護士の立場で活躍している。彼らの仕事は、日米双方の企業間の契約や、互いの国での資産の管理などが中心だ。かつては大企業がアメリカ人弁護士に依頼することが多かったが、国際取引の日常化に伴い、米国弁護士の資格をもつ日本人がより多く求められる状況になっている。

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法律大学院で即戦力になる

日本では、法学教育の裾野は広い。多くの大学の法学部で、学部課程から広く教育が行われる。その一方で、卒業後弁護士や裁判官、検察官等、いわゆる法曹に残るのはごくわずか。弁護士の需要がアメリカほど多くないこともあるが、専門家育成のプロセスは司法試験合格後の司法修習に依存してきた。
 アメリカの法学教育は、法律のプロへの道として高い専門教育が特徴だ。学部課程では教養と人間性の育成に力を注ぎ、法律の専門科目は大学院で学ぶ。その結果、大学院卒業後すぐにプロとしての活躍が可能なのだ。こうした教育思想は、日本でも近年法科大学院という形で取り入れられてきたが、制度としての成熟にはほど遠く、十分な成果を上げていない。


ネット取引のトラブル急増!  

今まさにアメリカ社会の中で日本人弁護士の出番が増えている。一つの要因は、インターネットの普及により、小規模な事業者や個人商店が国際的なネットビジネスに参入する一方、ネットオークションなどを通じての消費者の個人輸入も増え、日米間の取引でのトラブルが増したことだ。
さらに、投資を取り巻く情勢の変化から、アメリカにおいて日本人の資産を取り扱うケースも急増している。かつては大企業や資産家だけにしか関係のなかったアメリカの法制度が、普通の日本人を巻き込むことが当り前になってきた。そしてひとたびトラブルが起これば、アメリカと日本の社会・価値観・常識を知った弁護士の出番となるのだ。


日本では「外国法事務弁護士」に

米国弁護士資格を取得すると、アメリカの法律事務所で弁護士として活動できる。日本人の強味を活かせるのは、やはり日系企業や日本人が当事者となる法律問題の解決だ。もちろん法廷で活躍することもあるが、契約問題や資産処理などで、アメリカ人と日本人の間に立って調停を行うことも需要の高い仕事だ。
日本では弁護人として訴訟を扱うことはできないが、外国法事務弁護士として、国際企業の顧問や、フリーのコンサルタントとして活動できる。企業が国際化の度合いを増す中、この分野のプロは欠かせない。むろん、日本の弁護士資格と両方を持てば、訴訟にも参加でき、鬼に金棒だ。


州議会・裁判所で模擬立法・司法を体験
NCN卒業生 青木一也さん

実践を重んじるアメリカの大学。学部課程の授業や課外活動でも、実務の体験をするチャンスはたくさんある。オクラホマ州・オクラホマシティ大学政治学専攻(法律大学院進学課程)を卒業した青木さんにお話をうかがった。

━━━法律を学ぼうと思ったのはなぜですか。

  • 国際法、特に知的所有権や国際ビジネス法を勉強したいと思ったのです。

━━━学んだ科目の中で印象的なのは?

  • どの科目も印象深いのですが、特にアメリカ憲法の授業は充実していました。5、6人のクラスで、授業の準備が大変だったのですが、初めての本格的な法律の授業でいろいろな発見と感動がありました。

━━━授業だけでなく、課外活動にも参加されたそうですね。

  • オクラホマ州内では、模擬議会や模擬裁判に参加しました。貴重な経験でした。

━━━どんなことをやったのか教えてください。

  • 模擬議会では、本物の州議会場を使い、立法課程を学びました。実際に自分たちで法律案を持ち込み、演壇にのぼって話し合うという本格的なものです。
  • 模擬裁判も、州の上級刑事裁判所で行いました。代理人(弁護士)役として、法廷のみんなに対してプレゼンテーションするのですが、準備が大変で、裁判官の質問も厳しかったですね。ほんとに大変でしたがいい経験をしたと思います。

法律大学院進学課程

学部課程で大学院進学準備

us_supreme_court_1.jpg法律家の土台である人間性の育成を優先、その上で法知識を学ぶ
アメリカ大学で法律を学ぶ学課程は、日本とは大きく異なる。それは、将来法律家となる人間は、専門知識の前に幅広い教養と経験を蓄え、人間性を培っていなければならないというアメリカ社会の理念によるものだ。判例法と市民良識による判断を柱とするアメリカ法の思想も、この理念と結びつく。
だから、学部段階に法学専攻は存在しない。法学の道をめざす学生は、学部課程では通常、政治学・行政学やビジネス学などを専攻して、ロースクール(法律大学院)に進学する。多くの大学では、ロースクールでの学びにつながるよう、学部課程の段階で一定の科目の履修を指定する「法律大学院進学課程(Pre-Law)」を設けているが、必ずしもこれにとらわれることはない。例えば環境学や都市計画学を学んで、将来弁護士としての活動分野の糧にする、といった選択も可能だ。

法律大学院(JD課程)

米国弁護士をめざす場合の基本プロセス

judicial scales.JPG.jpeg3年間の専門課程を経て司法試験へ
法律家をめざす学生は、学部課程をそれぞれの専攻で卒業すると、学部での成績とLSAT(Law School Admission Test)をもとにロースクール(法律大学院)へ進学、そこで3年間法学を学んでJuris Doctor (JD)となる。多くの学生は在学中からインターンを体験し、ロースクール卒業後に司法試験 (Bar Exam)と弁護士倫理試験を受験して、実務に入る。司法試験は州ごとに行われるので、在学中から就職先の法律事務所を決めて内定を受け、それに合わせて受験するのが普通である。
日本の司法制度改革のひとつとして導入された法科大学院は、米国大がモデルとなっている。大学院進学時点で比較的高いハードルを設定し、卒業後の試験では、一定基準を満たすことで合格とする傾向の制度である。

法律大学院(LLM課程)

日本の法学部卒業生のための転換課程

judicial-reporters.jpg総合的な法律知識の上に専門知識を積み上げる1年間

日本の大学の法学部を卒業後、アメリカのロースクールで弁護士をめざす人も多い。このようにすでに法学の学位をもつ学生のためには、Master of Laws (LLM)学位をめざす1年間の課程が設けられている。学位名から混乱しがちだが、JD修了後にLLMで学ぶ学生も少なくない。その狙いは、すでに持っている総合的な法律知識の上に、例えば税法のような特定分野の専門知識を積み上げるものだ。
LLMを取得した外国人に司法試験の受験資格を与える州も多い。日本ですでに弁護士であれば、LLM課程を経てアメリカでの弁護士資格を追加すれば、国際的な活動を行うためのステータスを獲得できる。しかし、弁護士としての仕事が豊富なアメリカで法務に携わることを目指すなら、JD課程あるいは学部の法律大学院進学課程から学ぶことを勧めたい。アメリカの法制度やそれを支える社会・文化の基本、さらに膨大な判例を時間をかけて身体で学ぶことが、仕事において圧倒的なアドバンテージになるからだ。

ビジネス学

日米間の法務トラブルの大半はビジネス関連

258400SDC.jpgビジネスの話についていけずに交渉などできない
日米間の法務トラブルの大半はビジネスに由来するもの。両国の文化に通じた弁護士が求められるのはまさにこの分野だ。だからこそ、日本人がアメリカで弁護士として働く以上、ビジネスを学ぶことは必須とさえ言える。日米の商習慣の違いなど、トラブルの原因を知り抜いた弁護士は、紛争の解決はもちろん、誤解を予防し、間違いの起きない取引を行うため、あらゆる契約の現場で重宝されることになる。
ビジネス学は、商品開発・マーケティング・宣伝・流通や人事・組織管理などそれ自体幅広い。この中から自分の強味となる分野を一つだけでも持っておくことがポイントだ。特に国際ビジネスは、日米間のみならず国際的な弁護士活動の幅を広げるのには有益だろう。

会計学

企業活動の核心を知る

k0082445.jpg金銭トラブルを解決するために知っておきたい会計
企業活動を支えるのは、お金の流れ。その流れを計画・管理して、健全な経営を実現するのが会計だ。会計は企業活動の核心を握っているとも言える。企業において法務は弁護士、会計は公認会計士と、それぞれの専門家の分業のように見られがちだが、実際には、契約業務にしても税務にしても、売上や支払の管理、また労働者への賃金処理にしても、両者が一体となって健全な企業の経営を実現している。会計に対するチェック能力は企業の弁護士として最も求められる資質の一つなのだ。
会計学の基礎を学部課程で学ぶことは、その資質を身につける有効な手段だ。数学の講座から履修をはじめる必要があるが、数学は外国語で学ぶハンディが比較的少ない。高校での数学をしっかり復習して、落ち着いて取り組めば、思いのほかスムーズに始められるステップだ。

政治学・行政学

政治と法の関係を知り、さらに高度な領域へ

obama0805082.jpg法律のバックグラウンドを知り、判断力を高める
アメリカでロースクールをめざす学生の多くが、学部課程で専攻に政治学や行政学を選んでいるのには理由がある。政治と言うと立法議会の活動に直結して考えがちだが、もとをたどれば政治とは、大国から小さなコミュニティまで、構成メンバーの幸福を実現するための政策を作り、合意を得て実行するためのすべてのプロセスをさす。そして国家・州・地方自治といった単位で、公共のルールに基づいてこのプロセスを実現しているのが行政なのだ。
政治学・行政学ではこのプロセスと制度を学び、公共の幸福の実現に何が必要かを知る。それは、法制度を作り、運用し、守るすべての基本であり、弁護士としても、いわゆる政治家としても不可欠な資質だ。

アーカンソー大学(州立)

University of Arkansas

レベルと経済性がかなりの高次元でバランス

大都市圏のロースクールは人気が高いうえに、高額な学費もハードルだ。そこで、法律の道をめざす学生の多くが、より現実的な選択肢として選択するのが、州立大学のロースクールである。ロースクールをもつ州立大学は、州内でもトップクラスの大学に限られる。その数少ない大学に、州内はもちろん他州からも、優秀な学生たちが集まってくるのだから、その教育水準は名門私立大学にひけを取るものではない。
アーカンソー大学もそうした州立大学のひとつ。US World and News Reportでは全米総合94位、特に法制度調査・論文に課する評価では全米22位にランクされており、その評価は全米でも屈指の高さ。ビル・クリントン元大統領とヒラリー・クリントン国務長官が教鞭をとったことでも有名だ。
さらにアーカンソー大学は、NCN学生のために、学部課程授業料が半額以下となる特待生制度を運用している。最終的にアイビーリーグのロースクールをめざすルートとしても、その経済性は計り知れない。

UA.jpgアーカンソー特有の森林地帯に立地し、州ナンバーワンの大学である

写真をクリックすると拡大表示されます。

Mullins Library.jpg図書館
IMG_3393.JPG図書館内部の様子
IMG_0181.JPG学内には歴史ある建物と最新の設備が共存している
IMG_3498.JPGこちらは理系専攻の最新ラボ
IMG_1080.JPG寮のひとつ。敷地内には多数の寮が立ち並ぶ
IMG_0190.JPG大学周辺。大学を中心としたいわゆる「大学街」である

ジョージワシントン大学

George Washington University

首都のトップクラスのロースクールで決定的実力を

法律を学び、より大局に立って、公共の幸福に寄与したい。そんな目標をもっている人にとって、アメリカの首都ワシントンでトップ水準のロースクールはこの上なく魅力的だろう。また、ハーバードをはじめアイビーリーグと呼ばれる私立の名門が、成績だけでなく履歴や家庭環境などにまで及ぶ総合的な入学審査を行い、留学生にとって正面突破が困難なのに対し、よりリベラルに門戸を開いている点でも特筆されるのがのがこのジョージワシントン大学だ。
法学のみならずあらゆる分野で全米トップレベルの教育水準を誇っているので、ロースクールに進むまでの学部課程でも決定的な実力を身につけられる。特に政治学・行政学は、首都で生の政治を体感している喜びを感じながら学べるだろう。また、最終的にアイビーリーグのロースクールをめざすにも、学部課程をこのような大学で過ごすことが有効だろう。

800px-GWU_Professors_Gate.jpgGWUはワシントンD.C.市街地のあちこちにビルを持ち、それらを総合してキャンパスとしている。この門はその中心地区にいわば象徴として建てられたモニュメントである

テキサス大学サンアントニオ校(州立)

University of Texas at San Antonio

大グループの大学は、転学の柔軟さが魅力

州立大学の多くは、州内のいくつかの分校でグループを構成し、限られた基幹キャンパスにのみロースクールをおいている。日本でも有名なカリフォルニア大学バークレー校、テキサス大学オースティン校などは全米でも最高水準のロースクールを擁し、全米あるいは全世界から優秀な学生が法律を学びに集まってくる。
その一方、州立大学でありながらアイビーリーグに比肩するこのような大学は、高校からすぐに留学するには敷居が高いのも事実だ。また入学できたとしても、好成績をあげるためのハードルも高い。そこでお勧めするのが、同じ大学グループの別の分校の学部課程に入学し、着実に成績をあげ実力を蓄えた上で、転学・大学院進学においてめざすキャンパスに移るという方法だ。例えばテキサス大学のサンアントニオ校は、高水準の政治学や行政学を学ぶには最適で、オースティン校への転学のルートも充実。気候も環境も穏やかで、留学のスタートにはうってつけだ。

UTSA外観1.gifどんどん規模の拡大を続ける大学でもあり、転学を視野に入れずとも必ず満足できるはずだ