環境学 専攻解説:アメリカ大学進学・正規留学・MBA取得のNCN米国大学機構

アメリカの大学・大学院への進学・留学プログラム

環境学・自然保護学

人間の営みは、地球温暖化、生態系の破壊など、惑星規模の自然環境変化を生んだ。
アメリカは、二酸化炭素の排出など、産業活動を通じて環境にダメージを与えてきたが、
同時に、環境分野の研究・エコ技術の開発においては、世界最先端のパワーをもつ。
世界に通じる学びの成果を得て、後世の人々のための一歩を踏み出そう。

環境学は、科学技術と政策の両方からアプローチする学問

Ecotop.jpg環境学の切り口は無数にある環境問題への取り組みには2つの側面がある。ひとつは、科学技術の力を利用して、環境を損なわない、いわゆる「エコ」な人間活動を可能にすること。もうひとつは、社会の制度や活動自体を、地球環境を守る動きに変えていくことだ。

科学技術による環境保全をめざす学問は、環境科学・環境工学などと呼ばれることもある。従来の環境への負荷の大きいエネルギーや原料から、より環境に優しい代替エネルギー・代替原料の研究や、エネルギー効率のよい製品の開発、あるいは農業や緑化技術の向上などを通して、地球に優しい人間生活の実現をめざす。そのために、生物学・化学・物理学などを土台にした機械工学・エネルギー工学・電気工学・生態学・農学・森林学・水質学などの理科系分野について、時には多分野で複合的に研究を進めていく。
身近なところでは、ペットボトルのリサイクル、ハイブリッドカーや太陽電池など工業製品や、ビルの屋上の緑化、鳥を水田に放し飼いにして害虫被害を防ぎつつ農薬を使わない農法など、なるべく生活の豊かさを損なわずに環境負荷を減らす技術を開発することが科学的アプローチの命題といえるだろう。

いっぽう、社会的活動を通じての環境保全は、より複雑だ。例えば、二酸化炭素の排出削減に向けた動きが国際会議で決まったとしても、それを各国で実現するとなると、ルールを作り、守らせるための法的・制度的・人的などなどの政策を用意しなければならない。その政策は国ごと、地方ごとに異なるし、人によって異なる行動にも対応することが求められる。環境保全のためにどのような政策を立てどのように「社会を動かす」かを考えるのが、環境政策学とも呼ばれる環境学の一面である。基盤になるのは、政治学・行政学・社会学・法学などで、さらに環境保全技術に関する知識の習得も必要になる。
人々が生活するためには当然エネルギーを使う。環境を守るために誰かの生活が犠牲になるのは極力避けねばならず、また企業は利潤だけを追求すれば環境へのダメージを与えてしまうが、規制しすぎれば企業がその負荷に耐えられなかったり、国際競争に敗れて倒れてしまう。「持続可能な発展」という言葉に代表されるように、人々の暮らしを守りつつ、後世に残す環境も守るという、非常に難しいバランスをとるための優れた政策を考えること、また考えられるだけの予備知識を得ることが、政策的アプローチの本質だ。

環境科学、環境政策学は、2つの対照的な環境へのアプローチだが、両面の方向性がそろって初めて実際の環境保全が可能になる。そのため、どちらのアプローチで学ぶにしても、この両分野にまたがったカリキュラムが組まれており、キャリアや研究の目的に応じてその比重を変えて学ぶものと考えるとわかりやすい。


環境対策に尽くしたい
NCN卒業生 森田慎吾さん

もともと機械工学を学ぼうとカリフォルニア州立大学ロングビーチ校に入学した森田さんは、最終的に地球科学を専攻、化学を副専攻にして卒業、その後、西海岸の名門スタンフォード大学の大学院に進学して修士課程で環境工学/科学を研究した。関心に応じてさまざまな分野の学問を学び、最終的に自分にあった専門分野で学位を取得できるアメリカの大学制度は、彼のチャンスを大きく広げてくれたようだ。
現在日本を代表する企業の環境部門で、世界規模の環境保全のために活躍する森田さん。これは彼が大学院在学中のインタビューだ。

━━━当初の専攻から環境分野に専攻を変更されたのはなぜですか。

  • 小さい頃から、なぜ人間は、自分の住んでいる場所を汚しても気にしないでいられるのだろうという疑問が頭にありました。ですから、この状況をなんとかして直していけるよう、勉強したいといつも考えていたのです。最初は何を学べばそれを実現できるのかわからなかったのですが、工学や地学を軸にいろいろな科目を学ぶうちに、地球科学にたどりついたのです。

━━━そして、大学院では環境工学/科学を選んだのですね。これは、環境と水の専門研究を行うプログラムのひとつとか。具体的にはどんな研究ですか。

  • 主な科目は4つのカテゴリーに分かれています。水化学、微生物学、病原体の人体への影響、大気汚染がその4つです。例えば微生物学では、微生物がどのように僕たちの住んでいる環境で生きているのかを理解し、その性質を使って汚染物質の除去や水の浄化ができないか、どうやったらできるのかを研究します。

━━━卒業後の抱負は?

  • 環境汚染の防止・改善の仕事に関わりたいです。エネルギー関係企業で、化学物質の自然界への流出防止に取り組む専門家など。まだまだ研究も続けたいですが。

まさにこの抱負を実現した森田さん。地球の未来を背負うと言っても過言ではないだろう。

日本人初、イエローストーンでインターン
NCN卒業生 鈴木章洋さん

オクラホマ州立大学で環境科学を専攻した鈴木さん。キャンパス内外で行われる授業はもちろん、スポーツやイベント企画などの課外活動にも熱意をもって取り組んだ。環境ボランティアにも積極的に参加し、インターンシップは世界遺産でもあるイエローストーン国立公園で体験したが、これは何と日本人学生としては初めてのことだったとか。世界をじかに見て、世界のために働くという夢を実現した鈴木さんに聞いた。

━━━最初に留学を思い立ったのは?

  • 幼い頃から地理や他国の文化が大好きだったのです。さまざまな人々の集まるアメリカで、日本との違いを五感で体験したいと思いました。もともと関心があった環境科学の知識も、そんな人々と対話する中で幅広く得られると思い、留学を決めました。

━━━実際に環境科学を学んで、面白かったことを。

  • 特に土壌学の授業は興味深かったです。土の種類やそこに生息する生物の生態を学ぶのですが、そこから世界中の気候分布、それぞれの地域に起こる環境問題まで知ることができるのです。土壌浸食や知力の低下を防ぐ方法も、この授業で学びました。





━━━かなり熱が入ったそうですね。

  • 例えば、オクラホマ州には12種類の土壌がある、と聞くと、違いを確かめるために州内を回りたくなりました。教授が学生のためにフィールドトリップを計画してくれたこともあります。

━━━留学を通して得られたものは?

  • 授業を通じて得たのは、常に考えながら聞く姿勢や発言力です。でも、留学全体を通じて身についたのは,新しいことに積極的に挑戦する力ですね。

━━━どんな挑戦がありましたか。

  • 例えば、環境学のサークル活動を通して、水質調査の資格を取りました。日本やアメリカの国立公園でのボランティアやインターンシップを目標にし、実行しました。環境科学は教科書だけではわからない専攻ですから、こうした実体験を通して、自分の興味分野を明確にすることができました。初めてイエローストーンで働いた日本人学生になったことは、挑戦する力に対する自信にもなっています。

アメリカの環境学が世界をリードする理由

アメリカの大学が環境学分野で日本とは比べものにならないほど進んでいるのには、いくつかの理由がある。ひとつは、環境学が伝統的な学問の仕切りを超えた総合的な学問であること。もともと学部を超えた学びの自由さを特徴とするアメリカでは、それぞれの学問の高い専門性を組み合わせた新たな学問がすぐに育ってくるのだ。さらに、社会に必要な研究と評価されれば、政府・民間から多額の資金援助が投入されること。特に科学分野は資金的な支えがなければ研究が進まない。潤沢な資金を持つアメリカの大学にヨーロッパをはじめ世界から優秀な研究家が集まり、優秀な研究にはさらに資金が投じられる。この循環は、環境問題への社会の関心の高まりとともに、「環境学に強いアメリカ大学」の地位を揺るぎないものにしている。


いよいよ、国際社会の中でも環境大国アメリカへ  

大学での環境学研究が世界をリードしているにも関わらず、アメリカには環境保護後進国のイメージが強かった。それには、前政権がとった石油産業保護などの経済優先政策が大きく影を落としており、環境技術・環境政策の優れた研究成果が現実に活かされきれなかったからだ。
2009年の政権交代に伴い、オバマ新政権は、環境対策、特に二酸化炭素排出抑制に向かう強い姿勢を打ち出し、いよいよ技術・政策の両輪が揃った環境大国アメリカへの道が開かれた。折からの不況の中、これまで経済発展の障害と思われていた「エコ」を逆に産業化して経済と雇用の回復の柱とする「グリーン・ニューディール政策」は、まさに環境政策学の成果が現実になろうとしている最大の例と言える。
日本でも、これからの社会構造は「エコ」をベースに置いたものになっていく。その時、先進のアメリカで環境学を学んだ人材が、その社会の要として求められることは間違いない。


国際性・専門性を身につけ、あらゆる業界で活躍  

いまや、環境学で学ぶことを活かせない業界はない。自動車、家電などの製造業はもとより、物流、流通、サービスなど様々な産業が、「エコ」をひとつの課題として、さまざまな努力を続けている。二酸化炭素排出量の削減はもちろん、開発に伴う環境への影響を防ぎ、既に損なってしまった環境をどうやって回復するか、大小あらゆる企業と国から地域に至る行政とが日夜取り組んでいるテーマだ。
技術分野での学びを活かす職種は、ずばり企業や公的研究機関の研究職だ。企業では商品開発やプラント計画、原材料の調達・輸送などの研究部門をもち、しかも国際的な大企業ほどその部門は大きく、最新の技術を学んだ人材を求めている。公的な研究機関では、行政施策を支える技術面での調査や開発が行われるが、今後世界的な環境施策の取り組みに対応するため、いっそう研究の規模を拡大することは間違いない。
いっぽう、政策分野を学んだ人材も、企業から公的機関に今後広く求められていくだろう。環境保護の中心となる行政はもちろんだが、民間企業でも、例えば製品やプロジェクトの実施を決定する重要な判断において、環境にどう配慮するかがこれまで以上の課題になるからだ。
いずれの分野も、実務で求められる専門性を身につけるには、大学院に進んで研究を重ねることが不可欠と言える。また、英語力と国際的な視野は絶対条件で、その点でもアメリカで学ぶ価値は高い。


環境学(環境科学・環境工学)

科学・技術面から環境に取り組む

2retujo.jpg理科系科目を軸に、多彩な領域を学ぶ
環境科学・環境工学は、環境学のうち、特に科学・技術面からのアプローチを主とする、いわゆる理系的な分野だ。その中身は地球規模の全環境を対象とするものから、環境ホルモンなどミクロレベルの研究まで広範で、天然資源学・土壌学・森林学・生態学など専門的に分化している。
学ぶ科目は、生物学・化学・物理学・地学などの基礎科学から、微生物学・放射線学といった専門科学、さらには地理学・社会学・家族学と言った領域までほぼ全領域に広がっており、むしろ環境科学という名前にとらわれることなく、自分の興味対象の分野に視点を置いた方が良いだろう。
例えば、生物・農学の中に、環境保全の専攻があったり、建築学の中に、自然と人間生活の調和を意識するアプローチがあったりする。いずれにしても、学部の壁を越えた学際的な学びの構成が必要な分野だけに、アメリカで学ぶ水準と幅広さは世界最高を誇っている。

環境学(環境政策学)

世界環境のための政策実現をめざす

Fotolia_1707076_XS.jpeg科学を理解しつつ、国際的な政治・行政を学ぶ
環境問題の解決には、科学技術の力が必要なのは言うまでもないが、どんなに優れた技術を開発しても、それを地域レベルから地球レベルに至るまでの政策として実行できなければ、研究室の中だけの成果に終わってしまう。
こうした環境政策の実行のため、環境科学に関する基礎的な知識を身につけたうえで、政策実施に必要な素養を磨き、さらに国際的な視野に立って活動できる視点を身につけるのが、環境政策学の目的だ。その目的を受け、カリキュラムは生物学・化学・地理学などに、政治学や行政学、さらには国際研究などを加えた総合的なものとなる。全学問領域をカバーする点では環境科学同様であり、その比重がより社会科学系の科目に寄っていると考えればよい。

森林学・植物学

緑の惑星・地球を守るために

89sabaku.jpg森林の生態系と人間生活との関係を見極める
地球環境の大きな要素である森林。二酸化炭素を吸収する機能をもつことからも、現在最も重視されているのが森林の保全や、開発により失われた緑地の回復、さらには新たな緑化のための施策である。世界の森林の植生・生態を研究し、それぞれの地域でどんな問題があり、どんな対策が有効なのかをテーマのひとつとする森林学は、いま環境学の大きな一分野として注目を集めている。その学びの中心はもちろん植物学・生態学・地学などの科学的研究だが、同時に人間生活との関係を見極めるための地理学・社会学の科目の履修も求められる。
また、森林学の核となる植物学を純粋に研究する道も、環境保全へのひとつの貢献の形だ。森林環境のような大きな生態系での視点より、むしろ固体レベル・細胞レベルの生物学的な観点からの研究を核とする。ここに生化学などを組み合わせると、医療・薬学分野に大きく展開しうる、興味深い学問である。

天然資源学・水資源学・土壌学

地球を形作るすべての物質が資源だ

Fotolia_15948781_XS.jpeg教室を離れて、大自然が学習の舞台
地球を形作るあらゆる素材、大気・水・土壌などを総合的に研究するのが天然資源学だ。その中にあるさまざまな物質が、生態系にあるいは生活にどのように関わり、役に立つのかを見きわめ、有益なものを開発・保護し、有害なものには対策を研究していく。最近注目の高まるエネルギー問題への対応も天然資源学が関わる課題のひとつである。学習の場は教室にとどまらず、実際に天然資源が存在する現場でのフィールドワークも盛んに行う科目なので、自然を愛するアウトドア指向の人には楽しみな専攻でもあろう。
天然資源学は、その研究領域を絞ったいくつかの専門的な専攻に分かれていることも多い。例えば、海洋・河川・雨水や氷河・極氷など地球上のあらゆる水を資源として研究する水資源学は、人間生活のための水の供給はもちろん、砂漠化の防止など地球全体の環境のための資源として水を活用する方法の開発にも関わっていく。
また、土壌学は、植物を育て、生態系全体の糧となる大地のすべてを研究対象とする。もともとは農学との関わりの強い学問であったが、今は地球環境を守るための重要な一分野と見られている。さらに鉱物資源や土木開発との関連から地質学・鉱物学・土木工学などとの接点ももつ、多面的な専攻だ。

都市計画学・環境工学

環境と共存できる人間生活の場を創造するために

Fotolia_14792893_XS.jpg建築・土木工事の未来のあり方を学ぶ
ある地域の再開発や、大型の商業施設・レジャー施設の建設にあたっては、単独の建物だけでなく、地域全体の機能性や交通などの動的な効果を想定して総合的な計画を立てることが必要だ。このような都市機能・地域機能を綿密に調査測定し、科学的にシミュレートして、計画を立案するための研究が都市計画学だ。かつては、利用者・居住者の利便性に検証の重点が置かれていたが、いまはそれに匹敵する要因として、環境との関係が重視されている。また、環境に配慮した開発を実現するための技術を生み出す学問として、環境工学への注目も集まってきた。
都市計画学は地域空間設計の基礎として建築学を総合的に学ぶところから始まる。物理学・力学や材料化学、気象学や地質学などを基礎とするこれらの学問からはじまり、公衆衛生学、エネルギー工学などへとその学びを展開する。これによって、例えば,大型のビルによって起きる気流の変化を抑制する設計や、地下水の量に影響を与えない基礎工事の方法などを習得していく。
環境工学は本来、環境に配慮して大小さまざまな物づくりを行う技術を開発する学問だが、特に土木工学・機械工学と結びつき、工事技術、工事機材の開発研究に貢献している。都市計画学と環境工学がタッグを組んで、これからの地球景観を作っていくことになるだろう。

行政学

環境対策が機能するために、望まれる行政の姿とは

soc_web.jpg政策策定と実現のためのプロセスを学ぶ
環境対策には個人や企業の努力の積み重ねが必要だが、社会として効果をあげるためには、国や地方自治での行政のコントロールが重要な役割を果たす。そこで、環境政策に関する責任ある立場で働きたいと考えるなら、行政学を学ぶことを勧める。行政学は、法制度整備や予算の施行によって施策を具体化し、実際に行政機関を通じてその実現を行うプロセスを、理論と現実の両面を通じて研究する学問だ。
例えば、太陽光発電装置を普及させるには、義務化して罰則で強制するのがいいのか、補助金をつけて普及を促進するのがいいのか、補助金対象はどう決めるのか、それを決めるためにはどういう条件を想定して効果を測ればいいのか、など、次々に考えるべき課題が出てくる。行政学を通じ、政策策定と実現へのプロセスを理解してこそ、実効性のある施策を実行できるだろう。また、それぞれの社会で人々の力の結集を実現し、世界の中で責任ある役割を果たす適切な方法は、地域・民族・地理的条件などによっても異なる。環境政策を意識して行政学を学ぶなら、国際的な視野をもった学びの環境を選択することが、絶対条件になるのだ。

地理学・地球科学

環境のことを考えるなら、まず地球を知ること

Fotolia_4097309_XS.jpeg自然が作る地球と人間が作る地球とを学ぶ
一口に地理学といってもそのカバーする範囲は広大だ。大きく分けると、地球上のそれぞれの地域・海域の自然環境面を扱う自然地理学と、そこに生活する人の営みを扱う人文地理学とがあり、さらに研究分野やテーマに応じて細分化されている。
自然地理学は、地形的特性や気象条件、土壌、水質、そして植生と動物の生態を研究する。これらを総合的に、全地球規模で研究する選考を「地球科学」と呼んでいる大学も多い。環境科学研究に発展する基本といえる学問だ。
いっぽう人文地理学は、人間が関わった開発の歴史、産業や文化、宗教、政治、社会構造などを対象とする。人間の活動には自然環境の条件が大きく反映していると同時に、人間の活動が自然を改造してきた歴史もある。これらを研究する人文地理学は、自然を理解することからスタートして、自然と人間の関わりを考察する学問と言ってもよい。環境政策を学ぶものにとって、避けては通れない重要な分野だ。

消費者科学

人間生活を無視して、環境対策はありえない

3372359966_5627bf4f1b.jpg消費者行動を理解し、有効な環境対策を実現する
地球規模の環境を守る科学技術や、国際協力による環境政策も、それを環境との接点で実行するのは人間の生活だ。例えば、環境に優しい自動車が開発されたとすれば、人々にそれを普及させるにはどうすればよいか。また、それでもなお無駄な自動車利用を減らすにはどうするか。こうしたことを、個人や世帯の消費生活の側面から考え、「エコ」を実現できるようにしようという動きが生まれている。
環境保護を含め、広く消費者行動を研究するのが消費者科学だ。ただし、そのテーマは個人生活・家庭生活の視点で分析される。先の自動車の例で言えば、価格がいくらになればどのような背景の家庭が購入をするか、どんな公共交通機関が整備されれば自動車通勤をやめるか、といった行動・心理を分析する。このような消費者科学の成果は、政策立案やキャンペーン、広告戦略に活用され、広い意味で環境保護の運動を支えるのだ。

オクラホマ州立大学

Oklahoma State University

恵まれた自然の中で、幅広く、深く環境を学ぶ

オクラホマ州立大学は、専攻の幅広さと、それぞれの専門性の深さとを兼ね合わせた大型総合大学だ。環境科学の基盤となる理学・工学に強いばかりか、環境政策学の核となる政治学・行政学も充実。大学院の環境科学プログラムを頂点に、総合的な環境研究のプログラムが揃っている。
学部課程では「天然資源学」「水資源学」「環境政策学」の専門研究分野が、そして大学院では「環境マネジメント学」「水・河川学」「環境化学・毒物学・リスクアセスメント学」「環境教育学」「環境政策・コンフリクトマネジメント学」が、それぞれ研究分野として設置され、研究は極めて専門化している。
恵まれた自然環境を背景にフィールドワークやインターンシップの機会も多く、合衆国環境保護局、エネルギー省石油テクノロジー局などの政府機関やNPO、エネルギー産業、開発会社、ホテル、病院などの環境部門などで実地に学ぶプログラムが設けられている。
広大でありながら機能的なキャンパスは、様々な学部の授業を履修する場合にも便利だ。

library.jpgオクラホマ州立大学は、州内で1,2を争う名門の大規模州立総合大学。専攻の多彩さと水準は受入大学でもトップクラスで、日本で国立大学を狙う学生におすすめしたい。

Youtubeより -大学でのエコイベント-

オクラホマ州立大学でのイベント"Earth Day"の様子。"ECO"と"OSU (Oklahoma State Univ. の略)"をかけた"ECOSU"というTシャツが楽しい。

カンザス州立大学

Kansas State University

高水準の専攻それぞれが環境学につながる

カンザス大学は、140年を超える伝統をもち、近年さらに評価を高めている総合州立大学。2006年 The Washington Monthly 誌の評価で、州内1位の評価を受けた。200に及ぶ水準の高い専攻の中でも、伝統ある農学と、躍進を続ける理学、工学は、そのまま環境学の母体となっている。
カンザス大学のアプローチは、まず農学・工学の専攻中にそれぞれ環境に特化した専門研究を設け、総合的な「天然資源環境科学」は第2専攻とする形だ。
例えば農学では「土壌/環境化学」、農業ジャーナリズムの「環境専修」、工学では土木工学と生物農業工学それぞれの分野に「環境専修」が設けられている。さらに、名前にこだわらず、農学・工学・理学など全般に、環境を意識した研究が展開されているから、自分の関心領域から専攻を選び、環境関連の科目を選択して履修する構成が自在に可能だ。
自分の専攻を深めつつ、幅広い環境知識を学際的に積み重ねていくと、「天然資源環境科学」専攻も加わる。さらに大学院で研究を深めることで、「環境でもそれぞれの分野でもプロフェッショナル」という強い人材として社会に貢献できるだろう。

KSU.jpg農学というとイコール農業というイメージを持つかもしれないが、実際は扱う範囲が広い。砂漠緑化やバイオマスなど、環境に直結した研究ができるだろう。

テキサス州立大学サンマルコス校

Texas State University - San Marcos

水と緑豊かなキャンパスは、地球資源保護の発信拠点

テキサス州立大学グループの中核キャンパスであるサンマルコス校は、水と緑に恵まれた環境にふさわしく、環境学においても充実したプログラムを有している。
伝統的に強い地理学や生物学に加え、国際関係学やジャーナリズム学で高い評価を受けており、これらの分野を学際的に結びあわせることによって、国際的な環境研究を高いレベルで行ってきた。環境系の代表的なコースは、地理学の専門分野として設けられた資源環境学。地理学を基に、海洋地理学、エネルギー資源学、水資源学、地域計画学、政治的地理学、環境破壊要因研究などを組み合わせてまなぶカリキュラムだ。
同校では、世界の水資源を対象にしたプロジェクトも行われている。独自の河川研究所を拠点に、河川を中心とした水資源に関する研究・啓蒙・教育を行い、生物が生きるのに欠かせない水の保全に寄与する活動だ。例えば、テキサスで観測されている気候の乾燥化による干ばつの研究、工業により汚染された水脈を浄化する技術の実用化実験、地下水脈の枯渇状況の調査などを通じて、州や国家レベルの環境保護対策を働きかけるなど、大学として大きな成果をあげている。

oldmain.jpg地理学が強いということは、地域や地球全体をマクロレベルで考えるという切り口に強いともいえる。