音楽

音楽を学びながら、音楽以外でも確かなキャリアを

日本では狭き門の音大か専門学校でしか学べない音楽専攻も、アメリカでは総合大学で初心者からプロを目ざすレベルまでコースが充実。演奏家や歌手のみならず、プロデューサーや音響エンジニアなど関連職業へのルートまで、大学で学べるのだ。
しかも他の専攻と組み合わせて両方を学ぶことができ、ネイティブ並の英語力も身につくので、音楽以外のキャリアにも決定的な強みを得られます。音楽の勉強をあきらめる前に、ぜひ多様な学びの可能性を探ってみよう。

 音大は敷居が高く、専門学校では物足りない。そんな人こそアメリカへ

「音楽を学ぶ」と言っても、ジャンルも、目的も、レベルも様々だ。だが、日本の大学で音楽を学ぼうとすると、クラシック音楽教育が中心で、それもプロの音楽家をめざすための音楽大学か、音楽教師を養成する教育学部の音楽に限られる。
これに対し、アメリカの大学の音楽教育は多様だ。クラシック以外にもジャズ、ポップミュージック、映画音楽など様々な音楽を対象としている。最新のデジタルミュージックに対応した講座を開設する大学もあり、音響録音工学や音楽ビジネス学、さらには音楽セラピー学など、関連したさまざまな職業に向けた専攻もそろっている。
とはいえ、音楽を学ぶ以上、技術や才能を問われることは間違いない。大学により受入水準や教育の専門性は差があるので、実力や目的に応じて大学を選ぶ必要があるだろう。最も水準が高いのはプロ養成系の大学で、比較的取り組みやすいのが総合大学の教養学部に置かれた音楽専攻である。この中間が、音楽大学並のレベルと規模をもつ音楽学部を擁する総合大学で、力量と目的に合った選択が可能だ。

 音楽以外の専攻も並行して履修可能

音楽を学びたい思いはあるが、日本の音楽大に進むと将来の進路が限定される、という現実を前に、音楽の道をあきらめようとしている人たちにこそ、アメリカの大学という選択を知って欲しい。総合大学で、ビジネス学、コンピュータ学など、他の分野と組み合わせながら音楽が学べるのだ。しかも基礎からプロレベルまで、自分に合ったレベルからスタートでき、実力がつけばそれに応じた大学に転学も可能。逆に音楽以外の分野を本格的に学ぶ気になったらその時点で専攻を変えることもできる。
音楽を他の分野と組み合わせることで、新たなキャリアの可能性も広がる。例えばビジネス学と組み合わせた音楽ビジネス学では、音楽業界でプロデュースやマーケティングに求められる要素を学べる。アメリカで音楽を学ぶことは、総合的な人間力をみがくことであり、進路の選択をせばめるどころか、逆に大きく広げてくれるのだ。

 未経験者や初心者が、基礎から学ぶ進路も

音楽の才能や演奏の技術に不安のある学生にもチャンスがあるのがアメリカの大学制度の特長だ。音楽を専攻にする自信がない段階でも、他の分野を専攻にしつつ、レベルに合った音楽の講座で着実に学び始めればよい。レベルの高い音楽学部を除くと、入学時に実技審査を行わず、講座別のクラス内オーディションで各自の技量にあった授業に振り分けるケースが多く、着実に実力をつけていける。そして本格的に音楽を学ぶ自信が固まった時点で専攻変更や転学を利用すれば、そこから本格的に音楽専攻をスタートすることができるのだ。

音楽専攻のプログラムも、その専門性の度合いにより2つの学位がある。音楽を専攻しつつも、広い分野の知識も総合的に身につける教養系学位がそのひとつ。音楽家としても一般社会人としても一人立ちできる、バランスの取れた人間を育てるためのカリキュラムで、卒業までの取得単位数のうち3分の1から半分程度が音楽の専門科目になる。それでもアンサンブルや個人レッスン等、実技の時間を含めて音楽の履修はかなりの量だ。
さらに専門的に音楽を学ぶのが芸術系学位Bachelor of Musicの課程。こちらは、プロの音楽家を目指すカリキュラムで、単位数のうち4分の3近くを音楽の専門科目で占める。日本の音楽大学に近いコースだが,それでも音楽以外の授業を、さまざまな学部や、場合によっては他大学で履修できる自由度はアメリカの大学ならではだ。

 米国ならプロへの道は「イチかバチか」ではない

音楽を学ぶ者にとって最高の目標はプロミュージシャン。大学在学中に才能が目覚め、入学時には想像しなかった将来が開けた先輩もいる。転学や大学院進学でいっそうレベルの高い研鑽の場に進み、コンクールやオーディションでチャンスをつかむのだ。
音楽を納得いくまで学びつつ、職業としては他の選択をとることもある。その時に生きてくるのがアメリカで学んだ幅広い知識だ。旅行学・地理学の学びを活かして音楽プロモーターに就職したり、マーケティングを学んでレコード会社でディレクターを務めたり、音楽と他の分野の学びの組合せは、大きな強みを生み出してくれる。
もし音楽をあきらめた時の転進の可能性を気にするなら、全く心配はいらない。専攻を変更した時点から自分にふさわしい専攻の勉強を継続することができるのだ。実際、専攻のほかに英語と音楽を学んだという強みをもって卒業を迎えた先輩たちは、目覚ましい就職実績をあげている。

 華やかなマーチングバンドは絶好の修業の場

アメリカの大学では音楽の課外活動も本格的だ。全米ツアーや海外遠征を行うオーケストラやジャズバンドをもつ大学も多数あるが、ほぼすべての大学で活発に活動しているのがマーチングバンドだ。
マーチングバンドは、スポーツイベントやパレードへの参加などを通じ、地域に深く根をおろしたスケールの大きいパフォーマンスを展開している。しかも、ただの課外活動ではなく、音楽や教養科目の単位として認められるうえに、活動を通じて奨学金を獲得している学生も多い。
こうした全米のマーチングバンド活動で腕をみがいた学生の中には、ステージショーのオーディションに合格して、世界ツアーに参加する者もいる。例えば「ブラスト!」というショーのメンバーは大半が大学生。このような活動を通じてショービジネスや音楽界に進出する道が開ける一方、医者、弁護士、ビジネスマンなどそれぞれの夢への道も確保していける。


■続いては、音楽関連の専攻分野を紹介

 【音楽(演奏・作曲)】「楽譜の読み方」からプロ志向の実力派まで

音楽の授業は、理論と実技の両面で行われる。対位法・和声法などの音楽理論と音楽史は、音楽を発展的に学ぶ基礎として必須で、すでに演奏技術の高い学生に対しても履修を求められる。全く知識のない学生には、楽譜の読み方からスタートする入門講座受講も用意されている。
実技系の授業は、ソルフェージュ(視唱)やイヤートレーニングから、器楽・声楽のグループレッスン・個人レッスン、少人数や大人数のアンサンブル(合奏・合唱)等から構成される。授業と並行して、作曲や編曲作品の提出や、作品・演奏の発表を行うリサイタルなど、レベルに応じた実践経験となる課題もあり、徐々に本格的な音楽活動を意識するようになる。大学によっては、卒業プロジェクトとして自身の公開演奏会の企画・開催を行うが、これはプロミュージシャンとしての自立を実現するものだ。「社会で生きていくための大学教育」というアメリカの基本理念は、音楽でも例外でなく貫かれているのだ。

 【ジャズスタディーズ】アメリカ文化の誇りを学べ

ジャズはアメリカで生まれ、アメリカ人が自分たちの文化として誇りをもつ音楽だ。日本の音楽大学でもジャズのコースを設けるところが出てきたが、ジャズを学ぶ以上はアメリカで、と考えるのは当り前。実際アメリカの大学では、多くの大学でジャズのコースがあり、教養としての講座から、ミュージシャン養成のためのプログラムまで充実している。
専攻としてジャズを学ぶ場合も、クラシック同様の音楽理論や演奏の基礎技術から学ぶことになる。そこからジャズの約束ごと、インプロビゼーション(即興演奏)の基礎と実践、小編成のコンボやビッグバンド等でのアンサンブルが加わっていく。大学のバンドで全米あるいは海外にコンサートツアーに出ることもあり、こうした活動も履修単位として評価される。
日本人にとって異文化と言えるジャズだが、実力があれば分け隔てなく評価するのがアメリカ。大学を通じて一流のミュージシャン、あるいは将来のスターと交流し、一生のつきあいが始まるのも楽しみだ。

 【コマーシャルミュージック】「ビジネスとしての音楽」もアメリカ流

私たちが日常触れるポップミュージックやロックは、それを伝えるレコード、ラジオ、テレビ、さらにCDやネット配信などのテクノロジーとともに、この100年前後の間に発達してきたもの。このような音楽を扱うのがコマーシャルミュージック専攻だ。音楽を一つの産業に作り上げ、世界をリードするトレンドを作ってきたアメリカならではのプログラムと言える。
そこでは、音楽の基礎に加え、ソングライティングや編曲を学び、最新のDTM(コンピュータを使った音楽制作)技術を身につける。さらに、セルフプロデュースや音楽流通といった商品化のノウハウを知ることで、自分の作品をCDやインターネットを通じて世界に発表できる力を身につけるのだ。
このほかにも、映画のみならずさまざまな映像に合わせた音楽制作のためのシネマミュージックや、ゲームミュージックなどで使われる電子音楽に特化したコースもある。現代の産業界が求める音楽をいろいろなアプローチで学ぶことができるのだ。

 【音楽ビジネス学】プロデュースやディレクションなど、発信者としてのスキルを

どんなに才能あるミュージシャンの作品も、世に出てヒットするには様々な人の仕事が必要だ。プロダクション、レコード会社、音楽出版社、放送局などのいわゆる音楽業界が連携してヒット曲を生み出していく。世界の音楽マーケットを大きくリードするアメリカでは、こうした様々な仕事に対応するため、音楽についての知識や経験をもち、同時にビジネスのセンスをもった人材を育成する専門コースとして、音楽ビジネス学が用意されている。
文字通り、音楽分野とビジネス分野を合わせて学ぶカリキュラムだが、さらに音楽業界で必要となる作品プロデュース、プロモーション、著作権管理、アーティストマネジメントなどの専門領域を徹底的に学べるうえ、インターンシップで実務を体験できる可能性もある。音楽の世界で働きたい人には魅力だろう。

 【音響録音工学】「音のエンジニア」には希少価値が

録音スタジオやコンサートの音響を担当し、ミュージシャンと共に作品を生み出す音響エンジニアも、音楽ビジネスにはなくてはならない存在だ。だが、そんな音響エンジニアを養成する音響録音工学も、日本で専攻できる大学は少ない。単に専門技術の修得にとどまらず、音楽史、理論、演奏などの広い知識を身につけたうえで実習経験を積むアメリカ大学のカリキュラムは、卒業後直ちに現場で活動できる即戦力を培ってくれる。
アメリカで学ぶ大きなメリットは、インターンシップ等を通じて一流のエンジニアとともに一流のミュージシャンのレコーディングに触れる機会だ。そのような場面で、気持ちの通ったコミュニケーションがとれるのも、英語環境での大学生活があればこそ。NCNからも、世界一二を争う録音スタジオでの就職を果たした卒業生が出ている。アメリカならではの魅力的な選択肢のひとつと言えるだろう。

■次は、音楽を学ぶためのお勧め大学を紹介

 【大学紹介】ノーステキサス大学(州立)
 University of North Texas

規模・レベル・経済性などすべてがハイレベルな州立総合大
全米の州立大学でも常にトップレベルの評価を受けるノーステキサス大学の音楽学部は、大学院を含めて1600名にのぼる学生が学んでいる。質量ともに、大学のなかに一つの音楽大学があるといってよい。クラシックの各部門でもアメリカを代表する音楽教育機関として長い伝統をもつが、特に全米で最初に学位コースを設けたジャズスタディーズは、以来常にトップを走る。
UNT交響楽団、合唱団など大小のクラシックアンサンブル、ジャズでは1 O'Clock から9 O'ClockまでのO'Clock Lab Band (ビッグバンド)やJazz Singersなどが編成され、授業としての練習のほか、学内・学外の公演,世界規模の演奏旅行を行っている。学内施設も目を見張るほどで、1100席のシンフォニーホールをはじめ8つのホール、300室もの練習室、27万冊を超える楽譜・楽書を収めるミュージックライブラリー等、並べていくときりがない。
ノーステキサス大学出身者は、ウィーンフィル、メトロポリタンオペラをはじめ世界一流のオーケストラや歌劇場で活躍している。ジャズではバディ・リッチ、メイナード・ファーガソンやノラ・ジョーンズなど、世界を席巻するミュージシャンを生んだ名門だ。


 【大学紹介】バークリー音楽院
 Berklee College of Music

東部随一の名門音楽大学
1945年、アメリカ初のジャズ・ポップス音楽学校として創立。1966年に学士課程の学位コースを設けて、名実ともにアメリカ音楽の最先端かつ最高の教育の場となった。特にジャズ、ポップス、コンピュータミュージックなど産業音楽ではならぶもののない評価を得ており、プロミュージシャンも世界中から学びに訪れる。超一流の演奏家に密接な距離で指導を受ける機会も多い。
優れた音楽のプロを育成するミッションのため、多彩な楽器演奏や声楽はもちろん、作曲もソングライティング、映画音楽、現代音楽、コンピュータミュージックなど専門的に細分化されている。さらに音楽ビジネス/マネジメント、音楽制作・エンジニアリング、音楽セラピー等の専攻でも先進的な教育が行われている。

 【大学紹介】ノースアラバマ大学(州立)
 University of North Alabama

音楽・エンタテインメントビジネスにも強い
バランスのとれた専攻のバラエティをもつノースアラバマ大学は、音楽専攻の充実度でも評価が高い。このクラスの州立大学が重視する音楽教育者養成のプログラムの他、人気の高いビジネス学部やコミュニケーション学部と連携したユニークなプログラムを提供している。音楽を学びながら、社会人としての幅広い力を身につけようとする学生にとって、うってつけの学びの場といえる。
特に近年、音楽だけでなく総合的なエンタテインメントビジネスに対応した専攻構成を打ち出しており、ビジネス学を軸にした学びとしてエンタテインメントビジネス、エンタテインメントテクノロジーの分野に力を置いている。この他コミュニケーション学からはメディア製作とプロモーションとが、それぞれ音楽・エンタテインメント業界をめざす人に勧めたい類例のまれな専攻となっている。

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